投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019 – 受賞ファンドを紹介

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019 」の結果が先日発表されました。
受賞した上位10ファンドを見ていきましょう。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year とは

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」とは投資信託ブロガーが自分達にとって
本当に良いと思った投資信託に投票し、ランキング形式で順位付けを行う毎年恒例のイベントです。

投票者1人につき5ポイントを持ち点とし、この5ポイントを投資信託に振り分けて投票します。
5ポイント全てを1つのファンドに集中投票
1ポイントを5つのファンドに均等に投票 など

このイベント最大のメリットとして、様々な金融機関(銀行 / 証券会社 / etc..)で発表されている
ランキングと違い投資家達によって直々に選ばれている点です。

と言うのも、金融機関などで発表されているランキングはあくまで内部で 売れている / 資金が集まっている という点で評価されており、即ち営業マンや窓口の店員の努力によって買わされている商品が上位に現れやすくなります。
つまり投資家ではなく金融機関にとって都合が良いファンドがランキングに掲載される事も少なくありません。
(高手数料で機関側が利益を得やすい など)

投資信託とは?

投資信託とは、手数料を払いその道を生業としている金融のプロに
投資の運用を代行してもらう金融サービスで、投資家から資金を集め分散投資を行います。
また投資信託はそれぞれ投資スタイルを持ち一般的に以下の2つの型に分かれます。

  • 「パッシブ型」
    • 日経平均やS&P500など特定の指数に連動するように運用し、市場平均のリターンを狙う方法
    • 自動化されている事も多くアクティブ型と比較して低コスト
    • インデックス運用とも呼ばれる
  • 「アクティブ型」
    • プロのファンドマネージャーが運用を行い、市場平均以上のリターンを狙う
    • 銘柄選定など人的コストがかかるため、パッシブ型より運用手数料が高い

投資信託とは
出典 : 投資信託協会

投票結果

順位ファンド信託報酬資産クラス投票ポイント
1位eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)0.11%全世界(日本含む)145
2位eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.096%米国97
3位eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.10%先進国(日本除く)86
4位<購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド0.11%先進国(日本除く)82
5位eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)0.15%バランス71
6位楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)0.16%米国45
7位セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド0.61%バランス43
7位グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)0.48%バランス43
9位バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)0.09%全世界(日本含む)42
10位SBIバンガードS&P500インデックスファンド0.09%米国40

2019年度における投票結果は上記のようになりました。
2位以下と大きくポイント差をつけ eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)が1位となり、
eMAXIS Slimシリーズが上位を独占しています。

2019年に新しく作られた「SBIバンガードS&P500インデックスファンド」の最安信託報酬に対し、
今後 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が追従するかも気になるところです。

また、グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)を除いて全てがパッシブ型のファンドとなっているのも特徴的です。
これは投信ブロガーにインデックス投資家が多いことや、 多くの投資家によってアクティブファンドのパフォーマンスがインデックスファンドに及ばないという結論がなされている事に起因しています。

各ファンドがカバーする資産クラスをカテゴライズすると以下のようになります。

eMAXIS Slimとは

eMAXIS Slimとは 三菱UFJ国際投信 が運用するファンドシリーズで、
「業界最低水準の運用コストを将来に渡って目指し続ける」をコンセプトとしています。

コンセプトにある通り他のファンドが信託報酬を下げると、
eMAXIS Slimも信託報酬を下げる傾向にあり以下のように推移しています。
ほぼ全ての資産クラスにおいて業界最安値の信託報酬を設定しています。

出典 : 三菱UFJ国際投信

同じ資産クラス(S&P500など)に投資するファンド同士を比較した際のパフォーマンスは
ほぼ同じとなるため、差が出るのは信託報酬(運用コスト)のみとなります。
そのため業界最安値を有する eMAXIS Slim が人気なのは当然の結果と言えます。

私自身、昨今の投資信託の手数料がここまで安くなっている事を最近まで知りませんでした。

受賞ファンド紹介

2020年1月現在の各ファンドの情報を記載します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)

投信会社三菱UFJ国際投信
ファンド目的日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざす
投資対象地域グローバル(日本含む)
ベンチマークMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
信託報酬率(税込)0.11%
リターン(2019年)26.82%
出典 : 三菱UFJ国際投信

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

投信会社三菱UFJ国際投信
ファンド目的S&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果をめざす
投資対象地域北米
ベンチマークS&P500
信託報酬率(税込)0.096%
リターン(2019年)30.51%

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

投信会社三菱UFJ国際投信
ファンド目的日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざす
投資対象地域グローバル(日本除く)
ベンチマークMSCIコクサイ・インデックス
信託報酬率(税込)0.10%
リターン(2019年)28.89%
出典 : 三菱UFJ国際投信

<購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

投信会社ニッセイアセットマネジメント
ファンド目的日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざす
投資対象地域グローバル(日本除く)
ベンチマークMSCIコクサイ・インデックス
信託報酬率(税込)0.11%
リターン(2019年)28.85%
出典 : ニッセイアセットマネジメント

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

投信会社三菱UFJ国際投信
ファンド目的日本を含む世界各国の株式/公社債/不動産投資信託の値動きに連動する投資成果をめざす
投資対象地域グローバル(日本含む)
ベンチマーク合成指数
信託報酬率(税込)0.15%
リターン(2019年)16.30%
出典 : 三菱UFJ国際投信

楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)

投信会社楽天投信投資顧問
ファンド目的米国株式市場の動きをとらえることを目指して、
CRSP USトータル・マーケット・インデックス連動する投資成果を目標とする
投資対象地域北米
ベンチマークCRSP USトータル・マーケット・インデックス
信託報酬率(税込)0.16%
リターン(2019年)29.84%

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

投信会社セゾン投信
ファンド目的投資信託証券を中心に投資を行い、信託財産の長期的な成長を図ることを目的として運用を行う
投資対象地域グローバル(日本含む)
ベンチマーク合成指数
信託報酬率(税込)0.61%
リターン(2019年)14.99%
出典 : セゾン投信

グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)

投信会社日興アセットマネジメント
ファンド目的日本を含む世界各国の株式、不動産投信(REIT)および債券などを実質的な投資対象とする
投資信託証券に投資を行ない、インカム収益の確保と信託財産の成長をめざして運用を行う
投資対象地域グローバル(日本含む)
ベンチマーク無し
信託報酬率(税込)0.48%
リターン(2019年)31.80%

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)

投信会社The Vanguard Group, Inc.
ファンド目的FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す
投資対象地域グローバル(日本含む)
ベンチマークFTSE グローバル・オール キャップ・インデックス(全世界株式指数)
信託報酬率(税込)0.09%
リターン(2019年)26.82%
出典 : vanguardjapan

SBIバンガードS&P500インデックスファンド

投信会社SBIアセットマネジメント
ファンド目的米国の代表的な株価指数であるS&P500指数に連動する投資成果をめざす
投資対象地域北米
ベンチマークS&P500
信託報酬率(税込)0.09%
リターン(2019年)2019年設定ファンドのためデータ無し (主にVOOに連動)

まとめ

  • 全世界/先進国投資において米国の構成比率が高く、相変わらずS&P500が強い
  • eMAXIS Slim 全世界株式 or 米国株式(S&P500) 辺りを買っておけば安定
    • 入賞している各ファンドのリターンに大きな差はないので、コスト競争に強い機関を
    • 新興国をカバーしたい場合は全世界株式を選択、新興国は成長余力がある分リターンに期待ができる
      また、より分散が効いているため下落リスクが低い
  • ETFでランクインしているの銘柄はVTのみ
  • 投資を行わず現金を銀行に放置しているのは非常に勿体無い

以上になります。

今回記事を書くにあたって最近の投資信託事情を学べて非常に良かったです。
私自身も資産配分にこれらの投資信託を取り入れる事を前向きに検討するきっかけとなりました。

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